賢い顧問弁護士の選び方

顧問弁護士選び
  • そろそろ弊社も顧問弁護士が欲しいが、どのように選んだらよいのかわからない。
  • 顧問契約を締結していると、弁護士費用が割引になる事務所も多いようだから、一緒に顧問契約の締結も検討している。
  • 社長が代替わりしたのに合わせて、顧問弁護士も新しい先生にお願いしようかと考えている。
  • 弊社の顧問弁護士はベテランの先生で長年お世話になっているが、最近の法律や新しいビジネスの動きにはそれほど詳しくないようだから、もう少し若手の顧問弁護士に切り替えようか悩んでいる。

このようにお考えの中小・ベンチャー企業の経営者の皆さまのために、どのような視点で顧問弁護士を選んだらよいのかについて、近時の弁護士業界の事情も踏まえながらご説明しますので、顧問弁護士選びの参考にしていただけたらと思います。

近時の弁護士業界事情

昨今、多くの法律事務所が企業の顧問契約の獲得に力を入れています。インターネットを用いて「法律事務所 顧問弁護士」などのワードで検索していただくと、顧問契約をおすすめするコンテンツが多数見つかると思います。

それでは、なぜ、今、弁護士業界で顧問契約が「流行り」なのでしょうか?

「賢く」顧問弁護士を選ばれるにあたり業界事情を押さえておかれた方が有益かと思われますので、先にこの点についてご説明いたします。

① 過払い金バブルの終焉と顧問契約のニーズ

2010年代の中頃まで、弁護士業界は「過払い金バブル」に沸いていました。過払い金案件に関しては事件の処理方法が大体決まっているため、派手な広告により大量に案件を受任して大量の事務員を雇って大量に処理することも可能であり、それにより既存の法律事務所は少なからず「過払い金バブル」により高い収益を上げることができました(当事務所は過払い金バブルの末期頃に設立されましたので、現在まで過払い金案件の取り扱いはありません)。

しかし、その後、過払い金案件は急速に減りました。そこで、既存の法律事務所は次に中小企業の顧問契約に注目しました。ある調査によると、全国の中小企業のうち、実に8割以上の中小企業には顧問弁護士がいないとされています。

そこで、「中小企業の顧問弁護士」という新たなマーケットでのシェア獲得を目指して、近時の弁護士業界では中小企業の顧問獲得競争が激しくなっています。

② 顧問料=安定収入

ニュースなどで報じられることもあるのでご存じの方も多いかとは思いますが、ロースクール制度が発足してから弁護士の数が激増したため、弁護士業界の競争激化により以前と比べて既存の法律事務所の経営が不安定になっています。弁護士一人で事務所の経費を支払い続けることが難しいという理由で他の事務所に合流する弁護士もいれば、中には廃業を余儀なくされる事務所も出てきている状況です。

このように事務所経営が不安定になる中で、顧問料は毎月確実に売上として見込めますので、法律事務所の安定経営につながります。

③ 案件の囲い込み

誰かの紹介により安定的に案件を受任できるような事務所は別ですが、一般的に弁護士の仕事は単発の案件が多いですし、いつご相談やご依頼があるかわからないため(お客様のタイミング次第)、受任件数が安定しません。この点も事務所経営が不安定となる理由です。

ところで、顧問契約を締結している会社に何らかの法的な問題が生じた場合、通常はその問題について顧問弁護士にご相談されると思います。これは当然ですよね。そのような場合に備えて、御社の事情を熟知した弁護士を急いで探す手間を省くために、毎月顧問料を支払っているのですから。これは、顧問先にとってメリットであると同時に、弁護士にとっても、顧問先に何か問題が生じた場合に受任につながる可能性が高まるので、大きなメリットとなります。このように、顧問契約は弁護士からすると案件の囲い込みという側面を有しますので、この点でも法律事務所の安定経営につながります。

賢い顧問弁護士の選び方とは?

① 親身に話を聞いてくれるか 

トラブル対応や事前の紛争予防を行う際には、中小・ベンチャー企業のお客様と顧問弁護士との間に確固たる信頼関係が求められます。
そのため、親身になってじっくり話を聞いてくれる弁護士を選びましょう。

逆に、相談をしても話をしっかり聞いてくれなかったり、相談を途中で遮るような弁護士は避けましょう。

また、偉そうな態度をとる弁護士も避けましょう。最近は偉そうな態度をとる弁護士は少なくなったかと思いますが、ある若いベンチャー企業の社長さんがベテランの顧問弁護士の先生にある法律相談をしたところ、毎月顧問料を支払っているその先生から偉そうな態度で「説教」されたというのです。もちろん、顧問先企業様にとって厳しい意見やアドバイスをせざるをえない場面はありますが、それは「説教」とは違います。当事務所は「弁護士業=サービス業」という意識を徹底していますので、このようなことは決してありません。

このように親身になって話を聞いてくれない弁護士を顧問弁護士にすると、依頼されている案件の進捗状況を逐一報告してくれなかったり、 弁護士と連絡がとりづらかったり、質問されても回答してもらえなかったり、弁護士の判断で勝手に案件を進められてしまうということにつながる可能性があります。

② 説明がわかりやすいか

弁護士が親身になって話を聞いてくれたとしても、弁護士の説明内容が難しくて理解できなければ、お客様と弁護士のコミュニケーションがうまくいかず、結果的にお客様が望む問題解決が困難となってしまうことがあります。そのため、説明がわかりやすい弁護士を選びましょう。

弁護士の中には、一般のお客様に対しても法律の専門用語を多用し、お客様が内容を理解できていないことへの配慮が足りない弁護士もいます。弁護士同士で話をするのであれば相手も専門家なので専門用語を多用しても特に問題ありませんが、専門家ではないお客様とお話をする場合にはお客様の立場に立って難しいこともわかりやすくかみ砕いて話してくれる弁護士が良い弁護士といえるでしょう。
お客様のことを真剣に考えている顧問弁護士であれば、お客様の納得がいくまで時間をかけてわかりやすく丁寧に説明してくれると思います。

③ 厳しいことも言ってくれるか

弁護士は、最大限お客様のご希望を叶えたいと思っています。また、弁護士も人間ですから、お客様から嫌われたくないという気持ちも全くないわけではありません。そのため、根拠もなく「大丈夫です」「裁判に勝てます」と言ったり、本当は厳しい結果が想定される場合にもそのことを正直に報告しない弁護士もいるようです。昨今の弁護士業界の競争激化の流れを受けて、法律相談を受任につなげるために、相談者に迎合して甘い見通ししか伝えない弁護士もいるとお客様からお聞きしたこともあります。

もっとも、弁護士に依頼すれば何でも自分の思い通りになるという考えは間違っています。いくら自分が正しいと主張しても証拠がなければ裁判では勝てませんし、違法行為をすすめたり、認めるわけにはいきません。

そのため、案件の見通しが厳しい場合にはそのことをはっきりと言ってくれる誠実な弁護士を選びましょう。

④ 得意分野、企業規模が合致しているか

弁護士は司法試験に合格した法律の専門家ですので、あらゆる法律問題を取り扱うことができます。

一般的に、離婚、相続、債務整理など個人のお客様を対象とした案件に関しては、弁護士の経験年数や実力により結果が大きく異なるということは比較的少ないのではないかと思います。

これに対し、法人のお客様を対象とした案件に関しては、弁護士の得意分野か否かにより結果が異なることがあります。

そのため、例えば契約に関するご相談が多いお客様でしたら、契約書の作成・チェックに強みを有する弁護士を顧問弁護士として選ばれるとよいでしょう。知り合いの先生がいらっしゃればその先生に顧問を依頼されてもよいですが、知り合いの先生が普段あまり企業法務を取り扱われていない場合は、企業法務に強みを有する別の弁護士を探された方がよいかと思います。

当事務所にご相談・ご依頼された企業様に「御社の顧問弁護士の先生に相談されましたか?」とお聞きすると、「弊社の顧問弁護士の先生は個人の法律問題が専門で、会社の問題はちょっと…。」「顧問弁護士は高齢の先生で、ITとか苦手でよくわからないと言われました…。」とのご回答が意外に多く、驚かされます。これでは、貴社に最適な顧問弁護士とは言いがたいでしょう。

また、一般的に、顧問契約を締結している企業の企業規模と法律事務所の規模は比例する傾向にあります。例えば、大企業は大手法律事務所、準大手・中堅法律事務所、世界中に拠点を有する外資系法律事務所に依頼される傾向があり、中小・ベンチャー企業は中小規模の法律事務所に依頼される傾向にあります(ただし、大企業は複数の法律事務所との間で顧問契約を締結することも多く、中小規模の法律事務所を選ばれることもあります)。

その背景としては、大企業の大規模案件に適切かつ迅速に対応できる体制・ノウハウなどを備えているのは大手法律事務所など一部の法律事務所に限られるということや大手事務所ならではの安心感、また、大手事務所の弁護士費用は中小規模事務所の弁護士費用よりも高額であることが多いため、実際にその費用を支払うことができるのは大企業などに限られるといった事情もあるでしょう。

もっとも、「規模が大きい事務所の弁護士=優秀、中小規模の事務所の弁護士=優秀ではない」ということではありませんので、この点はご安心ください。

企業に関係する問題であっても、大企業向けの「大企業法務」と中小企業向けの「中小企業法務」は中身が異なります。中小企業のお客様が「大企業法務」を取り扱う大手法律事務所に「中小企業法務」案件を依頼されることが必ずしもベストな選択肢とは限りません。中小規模の法律事務所は中小・ベンチャー企業のお客様向けの解決実績やノウハウの蓄積がありますので、適切な法律事務所を選ばれれば、高品質なサービス提供を受けることができます。

顧問料は何かトラブルが生じた場合に備えた「保険料」の意味合いもありますので、無理なく支払うことができる金額を提示してくれる事務所を選ばれるのがよいかと思います。

このように、顧問弁護士選びに際しては、貴社が多く相談されたい分野や企業規模に合った法律事務所を探されるとよいでしょう。

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