企業経営者の皆様、管理部や総務部の方々であれば、日常的にさまざまな契約書を作成したり、取引先から契約書を受け取ったりしているかと思います。
契約というものは、原則として口約束でも成立します。それでは、なぜわざわざ契約書を作成するのでしょうか。
契約書を作成する目的は、
①契約内容の明確化
②紛争の予防
の二つです。契約書を作成する際には、この二つをしっかりと意識する必要があります。
① 契約内容の網羅
1点目としては、契約書に契約内容をきちんと盛り込むということが重要です。
現実の取引と合致する契約内容にしなければいけません。
例えば、「書面ではこうなってますけど、実際はこうなんですよ」ということがときどきありますが、これでは契約書を作成した意味がありません。
② こだわりの明確化
2点目としては、「ここだけは譲れない」という部分をはっきりと正確に記載することが重要です。
例えば、
・何を売るのか
・代金はいくらなのか
・いつまでに何をするのか
・経費は誰が負担するのか
・支払条件はどうするのか
・契約期間終了後はどうするのか
など、譲れない部分を明確にしておく必要があります。
③ 法律との整合性
3点目としては、法律による制限がないかについて十分に注意をし、法律との整合性を図ることが重要です。
例えば、農地の処分は都道府県知事の許可がないと無効になりますし、利息制限法以上の利息を定めても無効になりますので、お互いが合意して契約書で定めたからといってそれが全て有効になるわけではありません。
④ 契約書の形式
4点目としては、契約書の形式がきちんと整っていることが重要です。
例えば、当事者の表示、署名、契印、目的物の表示、日付、その他の形式を整えておかないと、契約書の証拠としての価値が低くなったり、最悪の場合は証拠としての価値がなくなってしまうリスクがあります。
契約書の内容に意識が行きがちですが、形式面のマナーもしっかり整えておかないと、思いもしないところで後日紛争になってしまいます。
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